概要
ビジネスメディア「PIVOT」が描く「コンテンツを通じて、経済と人を動かす」というビジョンを実現するため、クライアント、開発、そしてUXデザイナーがワンチームとなってアプリを開発。ゼロからローンチまで1年未満という時間の中、スピードとクオリティの高さを両立した。 いわゆるメディアのサイトという見え方ではなく、さまざまな魅力的なコンテンツが並ぶ書店の本棚のような空間をアプリ内に構築、個々のコンテンツの個性を際立たせるUXを設計。 さらに著者と読者の良好な関係を築きつつ、サステイナブルなプラットフォームになることを意識して体験と枠組みを設計した。
目標
コンテンツの力を存分に引き出すことができるプラットフォームの開発
競合企業がひしめくこのジャンルにおいて勝負をかけるPIVOT社のために、アプリとブラウザのUXデザインに着手。求められたのは同社の強みであるコンテンツの魅力を、アプリやブラウザを通してさらに高めること。
着眼点
荒れるコメント欄で崩れる、筆者と読者の関係
昨今のさまざまなメディアのコメント欄では、自身の知識の誇示や誹謗中傷することが目的であるようなシチュエーションも一部で見られる。こういったコメント欄は筆者に対してネガティブに働くことが多くなっている中、筆者に対してリスペクトを示し、ポジティブで建設的なフィードバックがなされるようなプラットフォームが求められている。
コンテンツ内容と乖離する釣りタイトル
アクセス数を稼ぐために本文とかけ離れたタイトルを筆者が採用してしまうという、偏った最適化を助長しているのもコンテンツプラットフォームの責任である。
アイデア
コメントを廃し「ハイライト機能」を搭載
コメントを廃し、代わりに本文をハイライト、シェアできる機能を企画・デザインした。
タイトルではなく、本文がシェアされるという構造を作ることで、タイトルやサムネイルのいびつな最適化を防ぐ。
また著者へのリスペクトから離れてきてしまった近年のコメントシステムを大胆に廃止し、ハイライトで読者と著者の健全な関係を目指す。
インプリメンテーション
プロジェクトスタートからローンチまでわずか7ヶ月間
少人数のチームでクライアントのビジョンを会話を繰り返しながらビジュアライズすることで、サービスのアイディエーションと情報アーキテクチャ、デザインまでを並行して進行。スタートアップのスピード感に相応しいインプリメンテーションを実現した。
アプリは好意的に受け止められ、その後も会員数はPIVOT社のたゆまぬ努力で伸び続けている。さらにブラウザ版もローンチし、プラットフォームは日々進化し続けている。
電通はローンチ後もクライアントと伴走しながら、スピーディな足元の改善と、視野を広げた提案を行っている。