概要
子どもたちが次の新しい社会を生き抜くためのスキルを身につける「SCHOP SCHOOL」の立ち上げ、および、オンラインスクール体験のUI/UXを企画・制作。小学生が楽しく、主体的に、考えを発表したり自分の持つ能力を発揮できるように、システム側からもUXサポートをすることで、より質の高いエデュケーションプログラムを実現した。
課題
オンライン化することで失われる「何か」と向き合う
昨今、コロナ禍や世の中の価値観の変化によって、オンラインスクールという形態が少しずつ増えてきた。しかし、これまでアナログで行われていた授業をそのままビデオ通話で行うだけでは、アナログ体験の劣化版になってしまう。例えば、コミュニケーションが一方的になりがち、子どもたちが何をしているのか先生側が把握しにくい、楽しい雰囲気を作りにくい、集中させにくい、などオンラインならではの課題は多岐にわたる。
そこで、まずはSCHOP SCHOOLの目指すべき「子どもの成長のカタチ」をしっかりと定義し、オンラインの体験の中の課題を解決しつつ、子どもたちの能力が豊かに育まれるようなシステムの設計から着手した。
教育に関する親視点での課題
現場にいない親が子どもの学びを把握できない「教育のブラックボックス問題」はコロナ前からある問題。子どもが何を学び、どう成長したのか。それが分からないと親も子どもにスクールを続けさせる意義を見失ってしまいがち。つまり、スクール体験には「子どもの成長に対して親が納得して伴走できるか」という視点も欠かせない。スクールでの学びや体験を元に、家庭で親子の会話が生まれるようにするにはどうすればいいか?など、体験プログラム以外の家族間コミュニケーション課題まで考慮してシステムを丁寧に設計する必要があった。
インプリメンテーション
オンラインでの体験・成長に寄り添う「SCHOP NOTE」システム
BXCCが開発した「SCHOP NOTE」は、プログラムに参加している子どもたちと、その親が使える成長サポートプラットフォーム。ビデオ会議で行われている体験プログラムとリアルタイムに連動し、子どものアクティビティや、子どもの成長観察をサポートする多機能アプリケーションである。
例えば、子どもが手元でつくっている作品を、ナビゲーター(先生)側の画面に即座に共有できるスコップカメラ機能。離ればなれに作業する子どもたちの作品を横並びで俯瞰して見ることができるため、求心力を持ちつつ、ナビゲーターは個々の作品をフォーカス表示したり、効果音や演出をつかって褒めてあげることができる。こうした、作品を媒介としたコミュニティ感の醸成はオンラインならではの体験であり、「自分の作品や考えをアウトプット → みんなの作品をみんなで見る」というスコップカメラを活用したフローを毎回のオンラインプログラムに組み込むことで、スクールの体験向上につなげています。
また、子どもたちのオンライン上での活動やアウトプットは、学びの記録として「スコップレポート」に定期的に親の元へ届く仕組みも用意。学びのプログラムの詳細や、ナビゲーターからのコメントで、いつ、何を学び、何を考えたのか?本当に成長できているのか?といった不安を解消するだけでなく、子どもをどう褒めればいいのかなど家庭内コミュニケーションを活発化させる役割も果たしている。